本位貨幣(ほんいかへい)とは?
本位貨幣(ほんいかへい)とは、国の貨幣制度の基本となる貨幣のことをいいます。
貨幣制度が金、もしくは銀に裏づけされている場合に、その平価に相当する一定量の貴金属を含み、実質価値と標記額面との差の無い貨幣です。
本来、「貨幣」は本位貨幣のことを指しており、それ以外を貨幣の代用物として「通貨」と呼び区別していましたが、現在は同じ意味で用いられることが一般的になっています。
金本位制・銀本位制
「金本位制」とは、貨幣価値(交換価値)を金に裏付けられた形で金額を表すものをいいます。商品の価格も金の価格を標準として表します。
「銀本位制」は、貨幣価値(交換価値)を銀に裏付けられた形で金額を表すものをいいます。商品の価格も銀の価格を標準として表します。
金本位制における本位貨幣は金貨、銀本位制における本位貨幣は銀貨となります。
金・銀両方を標準として使用する「金銀複本位制」もあります。
また、本位貨幣制度と異なり金や銀を標準とせず、通貨の発行量を調節することで、物価の安定、経済成長、雇用の改善、国際収支の安定などを図る制度のことを「管理通貨制度」といいます。
日本における貨幣制度
日本では伊藤博文の主張により「金本位制」が採択され、明治4年(1871年)5月に新貨条令が公布されました。その際、「円」の金平価は「1円=純金1.5g」とされました。この条令に基づき、純度90%の本位金貨である旧金貨(1円・2円・5円・10円・20円金貨)が鋳造・発行されました。
当時、銀貨は海外との貿易時に使用されていましたが、明治11年(1878年)には1円銀貨の国内一般通用が認められ、事実上の金銀複本位制となりました。
ところがその後、金貨がほとんど流通しなくなり、さらに明治18年(1885年)には日本銀行券による銀兌換が開始されたことにより、事実上の銀本位制となっていました。
明治30年(1897年)新たな貨幣法の施行により、正式に金本位制が採用され、新金貨(5円・10円・20円)発行されました。この際、新貨条令時より金平価が半減され「1円=0.75g(=分)」となったため、旧金貨は額面の2倍で通用するようになりました。
この金貨は、昭和63年(1988年)4月1日施行の「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」により通用停止になり、名実ともに管理通貨制度となりました。
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